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| 対象モジュール | 論説 | 
| 件名 | アラブ世界の民衆蜂起――チュニジアからエジプトへ/福田邦夫 | 
| 要旨 | 
- アラブ世界の民衆蜂起――チュニジアからエジプトへ/福田邦夫
- 投稿者: kikuchi 投稿日時: 2011/3/2 23:01
- グローバル資本と国家権力に対抗できるのは、私は地域経済圏が確立している地域の人々だと思います。
 今、山口県の上関原子力発電所の建設が行われています。
 その対岸3.5Kmに祝島があります。
 祝島の基幹産業は農業と漁業。
 漁業は一本釣りが基本で、定置網の網の目も広く、稚魚を取ることはしません。
 生態系を崩さないように、自然に働きかけていました。
 各家庭には家庭菜園があり、自分で野菜を栽培していました。
 彼らにとって、お金はそこまで価値あるものではない。
 食糧を買う必要が無いから、彼らは国家と大企業からの補助金を受け取ることもしません。
 だから、戦い続けることが出来る。
 30年以上におよぶ彼らの運動は、一般的な地域では長続きしません。
 農村・漁村から金の卵として都市部に定住した人々が高度経済成長を成し遂げたその時、
 地方では深刻な人口流出と農業・漁業の崩壊が起きていました。
 農業・漁業といった生存手段を奪われた地域では、
 国家と大企業からの補助金によって原発推進派・反対派が生まれ、
 地域コミュニティの崩壊が起きました。
 そうして、六ヶ所村のような悲劇が生まれたのだと思います。
 原子力産業というグローバル資本と国家権力に対抗したのは、わずか500人しかいない祝島の住民です。
 でも彼らは30年以上、抵抗している。
 地域経済圏が確立している彼らだからこそ、抵抗できたのだと思います。
 私は、グローバル資本と国家権力に抵抗するもの、現在の経済構造のオルタナティブとして、地域経済圏の構築に希望を持ちたいと思います。