〈「平成」代替りの政治を問う〉連続講座 第9回 
 象徴天皇制の戦争責任・戦後責任
■問題提起 : 	伊藤 晃さん(近代史研究) 
  	千本秀樹さん(現代日本史)
 	天野恵一(反天皇制運動連絡会)
 	(司会)松井隆志さん(PP研編集委員)
	■日時:2019年1月20日(日) 15時?(14時30分開場)
	■場所:ピープルズ・プラン研究所会議室(裏面参照)
		■参加費:800円
	■主催・連絡先:ピープルズ・プラン研究所(連絡先は裏面参照)
 連日の病状報道からスタートした、「昭和天皇Xデー(天皇代替り)」の長い長い政治プロセスは、暴走する軍部をおさえた天皇の「終戦への御聖断」で日本の民衆は救われた、というつくられた歴史のエピソードを中心に“恩人ヒロヒト”伝説(それは、そのまま“平和天皇ヒロヒト伝説”でもあった)が、全マスコミをあげて大量に振り撒き続けられた時間であった。
 と同時に、その時間は、戦後の歴史の中でもっとも広く、かつ鋭く、天皇制の戦争責任が問われ続けた時間でもあったのである。
 1990年1月18日に「天皇に戦争責任はある」と発言していた保守系の本島長崎市長が、天皇主義右翼の狙撃によって重体という事態、マスコミもふれざるをえないショッキングな「事件」の発生は、この状況を象徴していた。
 天皇の軍隊による戦争であり、「絶対神聖」で、すべての政治権力を自己に集中していた、最終決定権者天皇の下での植民地支配と侵略戦争。それが責任をまったく問われずに、アメリカ占領政策の使い勝手のいい制度(人物)としてガードされ敗戦をくぐって延命した。家族(親)や友人に天皇の戦争での大量の戦傷死者をかかえた戦中派(戦争体験世代)の人々が、まだたくさん生きていた時代である。
 政府・マスコミの一体化した天皇ヒロヒト賛美に激しい怒りの声が、下から噴きあがったのは、当然であった。かつて侵略され植民地支配された地域の人々を中心として、外からも強烈な批判の声が届けられる状況もうまれた。こうした憤怒の感情の広がりをベースとして、全国各地に反天皇制運動がつくりだされ、広く交流し続けたのがこの時代であったのだ。“恩人”神話はこのあたりまえの憤怒を隠しなんとかやわらげるために振り撒かれたものといえよう。そして、〈天皇の戦争責任〉をこそ問う運動の深化と広がりは必然的に、天皇制をなくすことで自分たちの責任を取るという事ができなかった長い戦後の〈責任〉〈「戦後責任」〉という問題をも運動の中で自分たちに強く自覚させた。そのプロセスは〈天皇制の戦争責任と戦後責任〉を問い続けることなくして反天皇制運動は、ありえない。こういう実感を運動の中にもたらした。
 アキヒト天皇は、この先代を「御在位六十有余年、ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念」した、戦後の「平和国家」と「繁栄」をもたらした平和の恩人というマスコミじかけの“神話”をなぞる、信じられない欺瞞的なアッピールを発しつつ、新天皇に即位した。
 この時、私たちは、そのことで、この男は父ヒロヒトの戦争責任・戦後責任をまるごと継承したのだという批判をくりひろげた。これが「平成」の象徴天皇批判の運動のスタートでもあった。
 ところが「平成代替り」が始まった今、このあたりまえの批判の声が、「平和・護憲」アキヒト・ミチコ天皇制賛美に包囲され、まったくモミ消されてしまっている。
 しかし、この批判の〈原点〉をふまえなおすことなくして、まともな反天皇制運動はありえまい。
 今回は、この連続講座の第一期を総括するかたちで、〈昭和天皇〉から〈平成天皇制〉へ連続している〈植民地支配・戦争〉責任という問題をこそ、ここでキチンと再検証しなおしたい。
    2018/12/31 16:37:26 
  
 
投稿者:事務局 
   
   
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